46)遺伝子テーマの本2冊目。筋ジストロフィーについて書かれていたのが一番印象的である。
ヒトゲノムを構成する32億文字の中から、たった一文字の誤りを探し出し修正するという離れ業ができる、その技術。2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス誌」に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が遺伝病の病気のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。豚の内臓を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行われた。人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか?(帯より)
遺伝子編集技術の発見により、遺伝子系疾患に対する治療方法に光がさしたとともに、ヒト胚の遺伝子編集の可能性も出てきたことを危惧していた。つまり、生まれてくる子どもの遺伝子を「改良」し「調整」できる可能性が出てきたということである。しかし、現在行われている“着床前遺伝子診断”と呼ばれる不妊治療のひとつの手法では、最も健康なゲノムを持つ胚を選ぶことができるとのことで驚いた。
遺伝子すごい。これからもどんな使われ方がされていくのか見ていきたい。
またその中でも印象的であった文がこちら。
人に関すること、とくに医療が絡むことにおいては、自然と不自然を隔てる一線は、消えかけているといっていいほどあいまいである。
前回読んだ『自然という幻想』の内容に近くて面白かった。これが同じテーマを続けて読むことの面白さ?楽しさ?なのかなと。
さあ次は何を読もうかな。