93)テーマ読み「少年院」No.4
矯正施設、加害者になってしまった少年たち、彼らを支援した精神科医、特別支援教育の現場などの関係者を取材し、「見たくない現実」を正面から見据えた本。
「発達障害=犯罪」というわけではないが、それが結びつく可能性となる要因は何かを探っている。(発達障害の中でも自閉症スペクトラム障害に焦点を当てて述べている。)
自閉症スペクトラム障害自体が直接的に違法行為と結びつくことはない。しかし、元来の発達障害の特性である、強いこだわりや頑固さ、コミュニケーションの不自然さ(「一次障害」)などが周囲との関係悪化を招いた場合、結果として周囲からのいじめ、暴力などによって本人の殺害感が強くなり、社会的に不適応な状態(「二次障害」)が作られ、犯罪の直接的な引き金になることがある。
発達障害と少年犯罪
田淵俊彦 NNNドキュメント取材班
新潮社装幀室
新潮社 / 2018