ほくそんの図書室

気まぐれな小さい図書室。

『数学する身体』

 

54)NewsPicksMagazine「ニューエリートの必読書500」で、高濱正伸さん(花まる学習会 代表)が挙げていた本の中の1冊。

 

前半は、数学がどのような変遷を遂げたかについてでとても興味深かった。

 

古代において数学は、まず何よりも日常の具体的な問題を解決するための手段であった。実際、バビロニアやエジプト、中国やインドなど、古代文明において栄えた数学はみな、政治や宗教と深く結びつきながら、実用的で実践的な営為として奨励された。(中略)ところが紀元前5世紀ごろのギリシアを舞台に、それまでとは異質な数学文化が花開く。計算によって問題を解決することよりも、「証明」によって結果の正当性を保証するプロセスに重きを置く姿勢が生まれたのだ。

 

 

”数学“というと、計算式に沿って答えを導いたり、正当性を証明したりすることを思い浮かべ、当初は「使う」ためのものだった“数”が、繰り返し用いているうちに自然と「親しみ」の情が湧いてくる。そして「味わう」べきものとなる。

 

 

 

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数学する身体 (新潮文庫)

数学する身体 (新潮文庫)