ほくそんの図書室

気まぐれな小さい図書室。

『つながり〜社会的ネットワークの驚くべき力〜』

 

79)とばしとばし読了。

 

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本書が焦点を合わせるのは、私たちと他人との絆であり、それが、感情、性、健康、政治、お金、進化、テクノロジーにどう影響するかである。(中略)私たちが何者であるかを知るには、私たちがどうつながっているかを理解する必要があるのだ。

 

1 つながり

 

・「つながり」「伝染」(構造と機能)という特性を持つ社会的ネットワークのルール5つ。

 

 ①自分と似ている人びとと仲間になろうとする意識的・無意識的傾向(類は友を呼ぶ)がある

 ②ネットワーク上でどんな位置を占めるかによって影響を受ける(一人っ子か末っ子か、離婚した家庭の子どもかそうでないか)

 ③友人から影響を受ける

 ④友人の友人の友人から影響を受ける(見上げている他者を見て自分もそちらを見るなど)

 ⑤ネットワーク自身に特性や機能が備わっている(交通渋滞や群衆の熱狂的行動)

 

・一方で私たちの影響力には限りがある。

 

3    共にいるものを愛する

 

グーグルで実際に「いかにして妻と巡り合ったか」「いかにして夫と出会ったか」と検索すると、数千もの体験談が見つかる。これらの物語に共通しているのは、“未来のパートナーたちのあいだには、最初は二次あるいは三次の隔たりがあるが、それはやがてなくなっていく”ことである。

 

人々がどんなふうに出会うかを示す体系的なデータがある。そこには、パートナーの選択、性行為、心理的特性、さらに、現在のセックスパートナーとどこでどのように知り合ったか示すデータもある。

 

そのデータを見ると、人々が友人や家族を大いに頼りにしているかが明らかである。社会の仲立ちによる紹介は、独力でことを進めるよりもリスクが少なく、情報は多い。ところは現代社会に生きる人々は、一般に見合い結婚には否定的で、見ず知らずの人と結婚することなど想像していない。

 

ときには偶然的な出会いが見知らぬ者同士を結びつける。ディズニー映画「101匹わんちゃん」で綱をからませてしまった犬など、「修復」儀礼を必要とする場合、人々はその「ダメージ」を元通りにしなくてはならず、そのためには親しくならざるを得ないのだ。

 

またパートナーと出会う場所や状況も変わりつつある。現代化と都市化、インターネットの発展の結果、社会的な絆が地理的制約を受けることが少なくなったためだ。

 

地理的空間に目を向けることが少なくなっても、社会的空間に目を向けている点では変わらない。しかしどんなネットワークを利用するにしても、似た者同士で結婚する傾向にある。属性の面で自分に似ているパートナーであり、同じような「質」のパートナーなのである。

 

人々がパートナーを選ぶ際、世間での相対的な立場を気にする場合が多い。アメリカの風刺作家H・L・メンケンは「裕福であるとは、女房の姉妹亭主よりも少なくとも100万ドル多い年収を得ることだ」という有名な台詞がある。私たちの周囲にいる人々は、パートナーになったり、パートナーに関する情報を与えてくれるだけではなく、最大のライバルでもあるのだ。

 

結婚後の生活のことも書かれている。1858年の論文『結婚がフランス国民の死亡率に与える影響』で、ウィリアムス・ファーは結婚が健康にもたらす利益と、逆に結婚しないことや未亡人になることがもたらす不利益を立証したのだ。

 

しかし19世紀後半の研究者のなかには、不健康な人は結婚する可能性が低いと主張する者もいた。身体的ハンディキャップや精神障害をもつ人は結婚しないだろうから、結婚している人は結婚のおかげで健康であるように見えるだけだという主張だ。

 

短い寿命の原因となるもの(貧困、精神疾患など)が、同時に結婚できない原因でもあるのだ。健康か結婚か一体どちらが先なのであろう。

 

社会的ネットワークの研究にとって性的ネットワークは、曖昧なところのない終点であり、誰とセックスをしたか聞けば社会的ネットワークを明確に書き出すことができるのだ。セックスのみならず、人間の経験や社会的交流について理解を深めることができる。

 

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力尽きました。整頓!

 

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つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力